なりたくてなったわけじゃないのにな

実家に帰っている。

地下鉄と電車とバスを乗り継いだらひどく疲れた。お天気わるくて、窓の景色は綺麗じゃなかった。
久しぶりの実家に着いて、柔らかい犬のお腹を揉んで、買い物をして、おかあさんと二人で台所に立った。ずっとビールの500ml缶をそばにおいていた。なんだか心細かった。「喉が渇いてしまったのだ」と、そればかり言っていた。
野菜を切って、炒めて、茹でて、ハンバーグとミネストローネ。温かかった。
それからピアノを弾いた。昔はあんなに自由だったのに、もうだめだった。
そのあとは元自室に寝ころがって、天井を眺めながら、「おかあさんごめんなさい」とおもった。はやく一人暮らしの部屋に帰りたい。


あらゆる出来事はもう起こってしまったのです。
今さらひとつひとつ言葉になおして、誰かにすべて伝えるなんてもうできないのです。
私は変わらない場所に立っているのに、周りばっかり変わっていって、いろいろなことは複雑になって、悔しくて、苦しい。

書きたい手紙は書けないままで、バーで断片を繋ぎ合わせた会話で泣いて、あらゆる人が大切で、大好きなのです。それだけです。

「大切な人をちゃんと大切にしなさい」
そう言われました。その通りだと思います。その通りだと思える私は、紛れもなく、幸せです。

かなり酔ってきた。お風呂にはいってもう寝よう。明日は、薬をもらいに行かなきゃいけないので朝はやく実家を出ようと思います。


大人になろうとしている今、幼稚園児になりたいとばかり考えている。