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日曜日の夜のこと

 

日曜日の夜のことです。私はひとりぼっちの寒い部屋の真ん中でぽつねんと、座っていました。細いストローで鬼ころしを吸い、わかばに火をつけ、明日の仕事のことを考えながらひどく暗澹たる気持ちで天井をボンヤリみていました。

するとそこに、とある知人から連絡が来ました。なにやら愉快な忘年会をやっているというので呼ばれるままに出かけてみたのは夜の9時を回ったところ。15分ほど電車に乗って、あやしい路地をいくつか抜けて、寒さにぶるぶる震えながらいつものバーにやってきました。

そこで私たちは極めてなごやかに、グラスをかかげました。そうして飲んだ酒の、うまいこと!

明日の仕事のことをちょっぴり気にして憂鬱になりそうなところに、負けじと酒をぐいっと飲んで騒ぐというのはたいへんいいものです。何もかもをまとめてぐっと、飲み下すのです。そうすると腹の底に一面、なにやら爽快なものが横たわる気がします。家に帰って少し眠ればまた仕事、どっこいそれがどうした、どんと来い! という気持ちです。私は単純ですから、どこからともなく渾々と、元気が湧いてきます。どんどんばりばり働くのはうまいものを食うためだ! と思います。

そうしてそれから、ほろ酔いで店を出て、わけのわからんことを好き放題にわめいてふらふらと通りを歩き、ほっぺたに冴えた夜風を浴びるのがたまらなく好きです。

すがすがしい気持ちでした。なにもかも許してしまえるような、そんな気持ちでした。

電車の座席に深く身を預けて手を振ったかれは眠そうで、なんだか菩薩のような顔をしていました。てんで散り散りになったそれぞれの明日のことを考えるとちょっぴり切ない気持ちがして、けれども私は鼻唄まじりでスキップしながら大きな月の下、家路を急ぎました。